「恩」とは他の人から与えられた恵み、慈しみのことです。広い意味では「天地またはこの世界すべての存在から授かる恵み」のことでもあります。
古来より仏教では、恩を非常に大切にしています。
自分が恵みを受けていることに気づくこと、自覚することを「知恩」と言い、お寺の名前にもよく使われています。
恩を心より感じることを「感恩」と言います。人からもらった恩に感謝することです。
そして、その恵みに報いようとする行いを「報恩」と言います。
仏様から受けているご恩に気づき、素直に感じ感謝し、それに報いなければならない、つまり「報恩」が大切であると説かれています。
人間の煩悩ところが、慌ただしい現代社会に生きる私たち人間には、煩悩による疑いの心や欲があります。人から受けた恩に対して、つい疑いの心を持ったり、何か思惑があるのではないかと勘ぐってしまうこともあります。 自己中心的な考えを抱き、他人よりも自分が大事、物事を損得にもとづいて考え、恨み、怒り、嫉妬、責任転嫁、愚痴など、他人に対して攻撃的な感情を抱いてしまいます。 しかし、結局それは自分自身に返ってくるのです。 |
感謝の心恩という字は「因」に 「心」と書きます。恩を知ることや恩を感じることは、私たちの「心に因る」ものです。 誰かに親切にされた時、素直な心で感じることができれば、その恩への感謝の行動が自然とわき起こってくることでしょう。 |
家屋の取り壊し | 長年お世話になった住まいを取り壊すとき、家を守ってくださった神様に感謝の気持ちを捧げましょう。 |
願ほどき お礼参り |
神様に祈願をしたら、感謝の心を以て、願ほどきとお礼参りを忘れないようにしましょう。 |
井戸埋め | 生命の源、水の恵みを与えてくれた井戸におられる水神さまと龍神さまに、感謝の気持ちを申し上げて本地にお帰りいただきましょう。 |
親孝行 ご先祖供養 |
この世に自分が存在するのは、自分を生んでくれた父母や先祖があるからです。自分の命は、親、先祖をはじめ、この世に存在するすべてのものに生かされているのです。 「生かされて生きる命」であることに感謝し、恩に報いることは当然のことではないでしょうか。 |